難治性群発頭痛に対する後頭神経電気刺激:105例の長期予後

公開日:

2021年5月23日  

最終更新日:

2021年5月23日

Long-Term Efficacy of Occipital Nerve Stimulation for Medically Intractable Cluster Headache

Author:

Leplus A  et al.

Affiliation:

Département d'Evaluation et Traitement de la Douleur, Hôpital de Cimiez, Nice, France

⇒ PubMedで読む[PMID:32985662]

ジャーナル名:Neurosurgery.
発行年月:2021 Jan
巻数:88(2)
開始ページ:375

【背景】

国際頭痛協会ならびに欧州頭痛協会によれば難治性慢性群発頭痛rCCHは,適切な治療にも関わらず週に3回以上起こる一側性で頭部自律神経症状を伴う深刻な頭痛発作と定義されている(文献1,2).最近,rCCHに対して後頭神経電気刺激療法ONSが行われるようになった(文献3).本報告は,フランスのONS前向きレジストリーに登録された105例を対象にONSの効果を検討したものである.刺激強度は1.5~9 V/mA,周波数は30~100 Hzの範囲内で患者毎あるいは経時的に変化した.

【結論】

刺激開始後43.8ヵ月の段階で69%の患者で50%以上の発作回数の減少が得られ,週当たりの発作回数は22.5から9.9回に減少した(p<.001).発作予防薬や頓挫薬(スマトリプタン注)の使用も減少した.頭痛インパクト(HIT-6,MIDAS),不安(HAD-A),健康関連QOL(EQ5D)は有意に改善した.59%を占めるexcellent群では発作回数は80%減少し,EQ5Dは37.8から73.2ポイントまで改善した(p<.05).多変量解析では術前のうつ状態スコアがONS治療の不成功と相関した.67例が装置植え込み,器材,局所疼痛などの合併症を経験し,29例が再手術を要した.

【評価】

難治性群発頭痛のONSについては,130例を対象にした欧州でのRCT(高電圧 vs. 低電圧)(NCT01151631)が終了し,まもなくその結果が公表される予定であり(文献4),その有用性が証明されることを期待したい.
本研究は,中央値43.8ヵ月という長期経過観察期間でも,ONSによる効果(発作回数の減少>50%)は約7割で認められ,健康関連QOLも有意に改善することを示した.
本論文の著者らは,この結果は難治性群発頭痛に対するONSが実臨床での使用において有用な事を示しており,本治療の普及を支持すると結論している.
一方で,手術に関する有害事象も多く,約3割で再手術が必要になっている.まだ器材や手技の改良が必要な治療法であるようだ.

執筆者: 

有田和徳