経脳室的ニカルジピン投与はくも膜下出血後の遅発性脳虚血(DCI)を予防するのか:傾向スコア法による解析

公開日:

2021年7月9日  

最終更新日:

2021年8月30日

【背景】

くも膜下出血患者の約70%に血管れん縮が認められ,遅発性脳虚血(DCI)は20~30%の頻度で発生する(文献1,2).本研究はカルシウム拮抗薬ニカルジピンの経脳室髄液内(IT)投与のDCI予防効果に関するエモリー大学からの報告である.対象は2012年から5年間に同大学ICUに入院したくも膜下出血患者1,351例.422例は血管れん縮が診断されニカルジピンの髄液内投与を受けた(治療群).859例は血管れん縮はなかった(非れん縮群).治療群は非れん縮群より若年で(51 vs. 57歳),WFNSスコアが高く,修正Fisherグレードが高く,クリッピングの割合が高かった(30 vs. 11%).