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2021年8月10日最終更新日:
2021年9月27日【背景】
WHO2016から登場したびまん性正中グリオーマでは,H3K27の変異が8割前後でみられる.この変異は遺伝子抑制ヒストン修飾であるH3K27のトリメチル化(H3K27me3)を著明に減少させる(欠失)ことを通じて腫瘍化に関与することが示唆されている(文献1,2).近年,グレード 2,3を中心とする髄膜腫症例でも,何らかの理由によるH3K27me3の欠失が再発と関わっていることが報告されている(文献3,4).テュービンゲン大学脳外科チームは自験の全てのグレードからなる脳・脊髄の髄膜腫1,103例を対象に免疫染色におけるH3K27me3の欠失(loss)と再発の関係を検討した.平均追跡期間は40.3ヵ月.
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