術中マンニトールの投与はいつ始めるべきか:頭蓋内圧亢進を伴う脳腫瘍患者を対象としたRCT

公開日:

2021年9月4日  

最終更新日:

2021年12月10日

【背景】

マンニトールは開頭手術中の脳の弛緩,脳圧コントロール目的で常用されている.投与開始後30-45分で効果が最大になると考えられることから,皮切開始と同時にマンニトール投与を開始することが多い.本当にそれがベストか.
上海復旦大学華山医院脳外科は,天幕上腫瘍で正中偏位が認められる100例を2群に分けて50例は麻酔導入直後,50例は皮切と同時に,脳外科医には判らないようカバーした20%マンニトール(1.0 g/kg)の投与を開始した.投与時間は20分.投与開始から硬膜切開までの中央値[IQR]は麻酔導入直後群で66[55~75]分,皮切同時群で40[38~45]分であった(p<.001).