腫瘍溶解性アデノウイルス感染神経幹細胞の局所投与による膠芽腫の治療:第1相試験

公開日:

2021年9月28日  

最終更新日:

2021年12月10日

【背景】

本稿は,シカゴ・ノースウェスタン大学のチームによるグリオーマ細胞をターゲットとした腫瘍溶解性アデノウイルスCRAd-S-pk7(文献1)を感染させた神経幹細胞(NSC-CRAd-S-pk7)を用いた初発膠芽腫に対する補助療法の第1相試験の結果である.対象は12例で1例の退形成性星細胞腫(WHOグレード3)を除いてすべて膠芽腫であった.腫瘍摘出後,3種類の用量のNSC-CRAd-S-pk7が最大10ヵ所に分けて腫瘍摘出壁に注入された.その後,標準的なテモゾロミドによる化学療法と放射線治療が開始された.追跡期間は18ヵ月(IQR 14~22).