トルソー症候群の臨床像, 検査所見, 画像所見:一般的な脳梗塞との比較

公開日:

2021年9月28日  

最終更新日:

2021年12月10日

【背景】

Trousseau症候群(TS)は悪性腫瘍による凝固能亢進状態から血栓症を生じる病態である(文献1).悪性腫瘍患者の15%が血栓塞栓性脳血管傷害に罹患し,その半数は症候性である(文献2,3).徐州医科大学Baoらは過去4年間に経験したTSによる脳梗塞患者31例を抽出し,性・年齢を一致させた大血管動脈硬化性80例,心原性塞栓性40例,小動脈閉塞性40例の脳梗塞を対照として,その臨床像,画像所見の特徴を求めた.TSの悪性腫瘍は胃癌29%,肺癌23%,以下卵巣癌,大腸癌などであった.男女ほぼ同数.平均年齢68歳(46-86).9例が既知の癌の治療中で,22例は脳梗塞発症後に癌が発見された.