未破裂動脈瘤が経過観察中に増大したらどのくらい危ないのか:トリプルSモデルの提案

公開日:

2021年9月29日  

最終更新日:

2021年12月10日

【背景】

動脈瘤径の増大が未破裂動脈瘤の破裂の重要なリスク因子であることは良く知られている(文献1,2,3).では,実際に増大が確認された動脈瘤はどのくらい危ないのか,また特に破裂しやすいリスク因子は何か.本研究は,日本を含む7ヵ国15施設の未破裂動脈瘤コホートの追跡結果の解析である.15コホートの5,166人(6,928瘤)の追跡中に339人の動脈瘤に増大(>1 mm)が確認された.このうち直ちに手術を受けた8例,その日のうちに破裂した6例,追跡不能の13例は解析から除外された.残る312例(女性71%,平均61歳,総動脈瘤数329個)を解析の対象とした.128例はその後に動脈瘤の治療を受けた.