癌の髄膜播種に対するシャント手術は有効か:Sloan Kettering癌センターにおける190例

公開日:

2021年10月20日  

最終更新日:

2021年12月10日

【背景】

髄膜播種は固形癌の3~5%に認められ(文献1),水頭症や頭蓋内圧亢進をもたらす.癌の終末的病態であるため,これに対するシャント手術の臨床的な意義や問題点についてはあまり議論されることがなかった.Sloan Kettering癌センターのチームは癌の髄膜播種のため最近10年間にシャント手術が行われた自験の患者190例を後方視的に解析してこれらの問題を検討した.原発巣は非小細胞肺癌41%,乳癌34%などであった.髄膜播種の診断は腰椎穿刺単独20%,MRI単独19.5%,両者併用59.5%.髄膜播種診断時の症状は頭痛(31%),歩行障害(16%),意識変容(15%),嘔吐(13%)などであった.