類上皮腫の長期予後(平均追跡期間89ヵ月):Mayoクリニックの63例

公開日:

2021年11月8日  

最終更新日:

2022年2月2日

【背景】

類上皮腫は頭蓋内腫瘍のうち1%の稀な腫瘍である(文献1).極めて良性ながら後頭蓋窩や正中線上に出来ることが多く,腫瘍被膜は周囲組織に密着しているので完全な摘出は決して容易ではない.
Mayoクリニック脳外科は1990年以降に摘出手術を行った自験の63例(女性33例,初回手術時年齢中央値40歳,最大径中央値41 mm)を平均89ヵ月間追跡して長期予後を明らかにした.存在部位は後頭蓋窩33例,天幕上下に及ぶもの11例,松果体部5例,脳葉-半球間裂11例,中頭蓋窩3例であった.症状は顔面知覚障害14例,聴力低下12例,失調/平衡障害12例,けいれん8例,視力低下5例,複視5例,顔面麻痺5例などであった.