多発性膠芽腫に対する摘出手術に意味があるのか?:連続100症例の検討から

公開日:

2021年12月29日  

最終更新日:

2022年2月2日

【背景】

頭蓋内病巣が複数存在する多発性膠芽腫は,FLAIR-MRIで病巣間に高信号が連続している多焦点性膠芽腫と連続性のない多中心性膠芽腫に分けられ,その頻度は多焦点性膠芽腫で12~35%,多中心性膠芽腫で2~6%と報告されている(文献1).では多発性膠芽腫に対する摘出手術に意味があるのか?本稿はボローニャ大学における後方視的研究である.対象は膠芽腫連続624例のうちの16%(100例,男性63例)の多発性膠芽腫で,このうち82例が多焦点性膠芽腫で,18例は多中心性膠芽腫であった.手術による摘出率は全摘15%,亜全摘(70%以上)14%,部分摘出(25~70%)32%,生検(25%以下)39%であった.