80歳以上の高齢者に対する頭部外傷手術の意義:米国外傷データバンク127,129例の解析から

公開日:

2021年12月29日  

最終更新日:

2022年2月2日

【背景】

高齢者は転倒・転落しやすく外傷性脳損傷(TBI)のリスクは高くなるが,その手術療法の意義については議論の余地が大きい.本稿は,米国外傷データバンクから抽出した80歳以上の高齢者(女性55%,平均84歳)のTBI 127,129例の解析である.受傷原因は転倒65.1%,自動車事故6.1%,歩行者事故1.2%等であった.チャールソン併存疾患指数は平均4.8,外傷重症度スコア(ISS)は平均14.1であった.全体の4.7%が手術を受けた.手術群は非手術群に比して男性が多く,救急外来でのGCS(ED GCS)が低く(12.4 vs 13.7),ISSが高かった(いずれもp<.001).