髄膜腫の遺伝子変異と組織型は髄膜の胎生原基(発生部位)によって異なっている

公開日:

2021年12月29日  

最終更新日:

2022年2月2日

【背景】

従来,髄膜腫の発生部位とWHOグレードには相関があり,非頭蓋底部にはよりアグレッシブな髄膜腫が発生すると言われているが(文献1,2,3),遺伝子形との関係は充分には解明されていない.東京大学Okanoらは自験の髄膜腫269例を対象として,WHOグレーディング(I~III),遺伝子形(SMO,AKT1,KLF4,POLR2A,NF2,22q欠失),髄膜の胎生原基(神経堤[冠状縫合より前方の円蓋部,前・中頭蓋底,大脳鎌,小脳天幕],傍軸中胚葉[冠状縫合より後方の円蓋部,前頭蓋底-トルコ鞍周囲,斜台],背側中胚葉[後頭蓋窩]),ならびに腫瘍発生部位との関係について解析した.