組織学的膠芽腫と分子学的膠芽腫(IDHワイルドタイプの星細胞腫)の臨床的な違い

公開日:

2022年5月18日  

最終更新日:

2022年9月20日

【背景】

WHO2021脳腫瘍分類では,組織診断が低悪性度びまん性星細胞腫(従来のグレード2,3)でも,IDHワイルドタイプでかつTERTプロモーター変異,EGFR遺伝子増幅,+7/–10コピー数変化のどれか一つが有れば,分子学的膠芽腫(molGBM,グレード4)と定義している.Mayoクリニックの3施設のチームは自験の231例をもとに,組織学的に診断された膠芽腫histGBMとの対比を行い,molGBMの臨床像を求めた.166例(71.9%)がhistGBM,65例(39.16%)がmolGBMであった.2群間で性・年齢・人種・KPSに差は無かったが,molGBMの方が側脳室壁への接触は少なかった(p=.002).