小脳性無言症の責任病巣とその転帰

公開日:

2022年5月26日  

最終更新日:

2022年9月20日

【背景】

髄芽腫などの小児の小脳虫部腫瘍の術後,約25%の頻度で,無言(小脳性無言,cerebellar mutism)と情動障害,構音障害,小脳失調などの症状が出現することがあり,小脳性無言症候群(CMS)と呼ばれる(文献1,2).本研究はCMSの発生とその重症度が解剖学的構造の障害とどのように相関するのか,CMSの経時的変化が肥大型下オリーブ核変性(HOD)とどう相関するかを求めたものである.対象はデュッセルドルフ市・ハインリヒ・ハイネ大学で2010~2017年にtelovelarアプローチで摘出術が行われた小児後頭蓋窩腫瘍の78例.CMSは10例(13%,年齢中央値8歳)で発生した.