NASCET狭窄率70~99%の高度で無症候性内頚動脈起始部狭窄はどのくらい危ないのか:手術なしでの3,737例の追跡

公開日:

2022年6月8日  

最終更新日:

2022年9月20日

【背景】

過去のいくつかのRCTによって,無症候性内頚動脈狭窄のうちでセレクトされた症例に対する手術(CEA,CAS)が発達してきた(文献1,2).しかし,薬物療法もまた進化しており,無症候性内頚動脈狭窄の現段階でのリスクの検証が必要となってきている.本稿は米国の450万人に保険・医療を提供しているKPNCヘルス・システムによる後方視的研究である.対象は過去に当該血管の手術を受けておらず,過去6ヵ月間に同側の神経学的イベントがない,NASCET狭窄率70~99%の高度で無症候性の内頚動脈狭窄を有する3,737症例(4,230動脈).平均追跡期間は4.1年.2,314例は追跡期間中に狭窄動脈に対する手術を受けなかった.