空飛ぶ血栓回収チームは役に立つのか:南東バイエルン地区での前向きコントロール研究

公開日:

2022年6月21日  

最終更新日:

2022年9月20日

【背景】

地域内に血栓回収が出来る施設が存在しない非都市部では,急性脳主幹動脈閉塞患者を遠方の血栓回収施設に送ったり,一次脳卒中センターから血栓回収施設に転送しなければならず,血栓回収の開始が遅れる可能性が高い.本稿は,ドイツの南東バイエルン地域において実施された,ミュンヘンに本拠を置く血栓回収チームを13ヵ所の一次脳卒中センターへヘリ空輸するケースと,患者を一次脳卒中センターから4ヵ所の血栓回収施設に救急車で転送するケースを比較した前向きコントロール研究である.血栓回収術適応の患者を受け入れた一次脳卒中センターは,週毎のローテーションに従って,空輸チームを受け入れるか,血栓回収施設への患者搬送を行った.