小児の側頭部くも膜のう胞に対する手術療法の意義:パリ大学における連続100症例の前向き研究,パート2

公開日:

2022年7月8日  

最終更新日:

2022年9月20日

【背景】

パリ大学小児脳神経外科などのチームは2010年以降に診断した小児の側頭部くも膜のう胞の連続100例を解析して,その臨床像,予後,外科治療の意義を検討した.平均年齢は9.7歳(3~16歳).本稿は,手術療法の長期効果に関する記述である.
34例(男児:30人,88%)が,頭蓋内圧亢進(74%)あるいは神経心理学的症状(学習障害65%,認知障害56%,気分・行動障害47%)を理由に手術を受けた.手術症例のうち85%が脳側に凸の形状のconvex型のう胞であった.85%は顕微鏡下で開窓術(脳底槽との交通路形成)を受けた.のう胞体積が50%以上縮小したのは59%であった.