IDH野生型膠芽腫におけるEGFR遺伝子変化が予後に及ぼす影響:遺伝子パネルを用いた138例の検討

公開日:

2022年7月23日  

最終更新日:

2022年9月20日

【背景】

EGFR遺伝子は,膠芽腫において最も一般的に増幅・過剰発現しているチロシンキナーゼ受容体である.EGFR遺伝子増幅は,膠芽腫の約40-50%に,EGFR遺伝子変異は約20%に認められる(文献1,2,3).WHO2021年脳腫瘍分類では,EGFR遺伝子増幅は,膠芽腫診断の重要なバイオマーカーとなっている(文献4).それにも関わらず,EGFR遺伝子変化が予後に及ぼす影響については議論の余地がある.鹿児島大学のHigaらは,自験の138例のIDH野生型膠芽腫を,独自の遺伝子パネルを用いて次世代シーケンサーで解析し(文献5),EGFR遺伝子変化が予後に及ぼす影響とEGFR遺伝子バリアントの解析を行った.