症候性の頭蓋内主幹動脈高度狭窄に対するステント術は対象や術者を限定しても有効性を示さず:中国のCASSISS研究

公開日:

2022年8月26日  

最終更新日:

2022年10月4日

【背景】

症候性の頭蓋内主幹動脈狭窄に対するステントに関する先行する2つのRCTでは,ステント治療は薬物治療に対する優位性を示さなかった(文献1,2).しかし,その後の前向き登録研究は,対象の選択基準をより厳密にすることにより,ステント周術期の合併症リスクを大幅に減少させる可能性を示唆している(文献3,4).本稿は,中国の8センターで実施された,頭蓋内主幹動脈の高度狭窄(70~99%)に起因する,穿通枝領域(脳幹や基底核部)以外の部位の,TIAや後遺症のない脳梗塞の発症後3週間以上経過した358例に対するRCTである.DAPT等の薬物治療単独が182例に,ステント+薬物治療が176例に割り当てられた.