頭部外傷患者におけるGFAP,UCH-L1血中濃度と予後との関係:米国TRACK-TBIコホート1,696例の検討

公開日:

2022年9月25日  

最終更新日:

2022年11月7日

【背景】

本稿は,外傷性脳損傷受傷日の,神経膠細胞のマーカーGFAPと神経細胞のマーカーUCH-L1の血中濃度の,予後推定における意義を検討したものである.対象はミシガン大学など米国内18ヵ所のレベル1外傷センターを受診し,受傷日(採血は受傷から中央値15.6時間)にGFAPとUCH-L1の血中濃度測定が実施され,受傷後6ヵ月目の拡張GOS(GOS-E,最低1点:死亡−最高8点:機能的アウトカム良好)での評価が終了した17歳以上の1,696例.6ヵ月目GOS-Eが1あるいは2-4の患者では,GOS-E 5~8の患者に比較して受傷日のGFAPとUCH-L1の血中濃度が有意に高かった(共にp<.0001).