鞍結節髄膜腫に対するアプローチは腫瘍の進展方向とは反対側からの前頭下アプローチが良い:連続74症例の結果

公開日:

2022年10月27日  

最終更新日:

2023年1月24日

【背景】

鞍結節髄膜腫に対しては,腫瘍が進展した側の前頭下アプローチによる摘出が行われることが多いが,腫瘍の手前に視神経,内頚動脈,前大脳動脈などの重要構造が位置するために,安全な摘出が困難な場合がある.韓国全南大学校脳外科は,2005年以降に反対側の前頭下アプローチで摘出術を行った鞍結節髄膜腫の連続74例(平均54.4歳,女性61.8%)を解析して,本アプローチの意義を検討した.平均腫瘍径は21.2(8~43)mmで,73例(99%)で腫瘍の視神経管内侵入が認められた.術前症状は,視機能障害61例(82%),頭痛5例(7%),めまい1例(1%)で,7例(9%)は無症状であった.