出血発症髄膜腫の臨床像:65症例のシステマティック・レビュー

公開日:

2023年1月18日  

最終更新日:

2023年3月7日

【背景】

髄膜腫からの出血は2%前後と稀である(文献1,2).本稿は,出血発症髄膜腫のシステマティック・レビューである.対象は著者ら自験の2例を含む65症例で,女性65%,平均年齢58±14歳.発症時症状は局所神経脱落症状72%,頭痛60%,意識レベル低下/昏睡54%,嘔吐22%であった.発症様式は突然発症57%,緩徐発症43%であった.発症段階では,25%の患者では腫瘍の発見は出来なかった.腫瘍存在部位は円蓋部55%,蝶形骨縁11%,大脳鎌/傍矢状洞部9%であった.54例(83%)は特に誘因なく発症した.誘因が疑われたのは12例のみで,頭部外傷4例,腰麻下帝王切開2例,咳1例などが含まれた.