横断性脊髄症を示す頭蓋頚椎移行部動静脈瘻:日本の多施設共同研究における27例

公開日:

2023年2月3日  

最終更新日:

2024年3月18日

【背景】

頭蓋頚椎移行部動静脈瘻はC1やC2レベルの稀な動静脈瘻である.その多くは硬膜動静脈瘻で,椎骨動脈から分枝する神経根髄膜動脈などから流入し,流出静脈は頚髄や脳幹表面を走向する.症状は脊髄症状,脳幹症状などと多彩である.本論文筆頭著者の高井らは日本脊髄外科学会主催で,頭蓋頚椎移行部動静脈瘻に関する全国多施設共同研究を行っている.対象コホート全体は97例であるが(文献1,2),本稿はその中で横断性脊髄症を呈した27例(平均年齢70歳,男性96%)の解析である.脊髄症の症状は1日から1月の間で進行するものが多く(63%),下肢から始まり,体幹,上肢へ,時に脳幹まで上がって行くものが多かった.