松果体のう胞の増大・縮小因子は何か:Mayoクリニックの409例の長期追跡から

公開日:

2023年2月4日  

最終更新日:

2023年3月17日

【背景】

松果体のう胞はありふれた頭蓋内のう胞であるが,その自然史は明らかではない.MayoクリニックのHasegawaらは自験例を解析して,増大あるいは縮小の頻度とそれに関わる因子を求めた.
対象は,2000年以降7年間に診断し3年以上追跡された松果体のう胞571例のうち,オプトアウト症例(34例),占拠性効果を示す他の頭蓋内疾患(4例),のう胞径 <5 mm(50例),詳細な画像評価が困難な症例(74例)を除外した409例(女性72%,年齢中央値43歳,20歳以下は12%).のう胞径中央値は10 mm.
典型例(54%)は,円形で,のう胞内容の信号強度がCSFと同様で,壁は厚みが2 mm未満で均等な造影効果を示した.非典型例は46%で,内訳は,壁の造影効果なし26%,壁厚2 mm以上8%,内部隔壁あり34%,不規則/多房性6%であった.