DOAC服用後48時間以内の患者を経静脈的血栓溶解療法の適応外とすることに根拠はあるのか?:世界64施設33,207例の後方視研究

公開日:

2023年2月6日  

最終更新日:

2023年4月12日

【背景】

日本のガイドライン上,DOACの最終服用後4時間以内は,症候性頭蓋内出血(sICH)の畏れにより経静脈的血栓溶解療法(IVT)の適応外とされている(文献1).一方,米国や欧州のガイドラインではDOAC最終服用後48時間以内を適応外とすることが推奨されている(文献2,3).しかし,この推奨を支持する根拠は薄弱である.本稿はDOAC最終服用後48時間以内のIVTがsICHのリスク因子であるかについて世界64施設で実施された後方視コホート研究である.2008年以降,33,207例がIVTを受けた.このうち48時間以内にDOACを服用していた832例(DOAC服用群)と,非服用32,375例を比較した.