家族性脳海綿状血管腫に対するプロプラノロール投与:第2相パイロット試験

公開日:

2023年3月27日  

最終更新日:

2023年7月11日

【背景】

脳海綿状血管腫は人口の0.1~0.8%に認められるありふれた血管奇形である(文献1).多発性の海綿状血管腫ではその多くが家族性で,主にCCM1-3の3つの遺伝子変異のうちどれかを有し,その頻度は人口0.5~1万人に1人と推定される(文献2).海綿状血管腫からの出血の頻度は5年間で3.8~30.8%とされているが(文献3),出血を未然に防止する有効な手立てはない.本稿は家族性海綿状血管腫に対するプロプラノロール投与第2相パイロット試験の結果である.対象は症候性の家族性海綿状血管腫の83例(平均46歳,女性58%)で,57例は標準ケア+プロプラノロール,26例は標準ケアのみにランダムに割り当てられた.