一般血液検査データで非定型髄膜腫の予後が推定出来る:454例での検討

公開日:

2023年4月12日  

最終更新日:

2023年7月11日

【背景】

非定型(異型)髄膜腫(WHOグレード2)摘出後の進行/再発率は高いが,それを予測するのは決して容易ではない.本稿は,ルーチンの血液検査でそれが予測出来ないかを検討した後方視研究である.対象は韓国4施設(ソウル大学校など),日本1施設(慶應義塾大学)で1998年以降20年間に摘出術を受けた新規の非定型髄膜腫523例(女性318例)で,このうち80.5%が全摘出術を,19.5%が亜全摘出術を受けた.手術後に29.8%が放射線照射を受けた.5年間の腫瘍進行/再発(P/R)率は26.8%,無増悪生存率は71.5%であった.組織学的なデータや検査データが不完全な69例を除いた454例を多変量解析の対象とした.