頭蓋頚椎移行部病変に対する経鼻内視鏡的歯突起切除術の意義:コーネル大学の42例

公開日:

2023年5月1日  

最終更新日:

2024年3月18日

【背景】

前方から延髄・頚髄を圧迫している頭蓋頚椎移行部病変に対しては,従来経口的手術が行われてきた.本稿は症候性の頭蓋頚椎移行部病変に対する経鼻内視鏡的な歯突起切除術(EEO)の意義について検討したものである.対象はコーネル大学(NY)で2011年からの10年間にEEOを受けた42例(平均33.6歳,小児11例)で,78.6%は頭蓋底嵌入症,76.2%はキアリ1型異常,69.0%は歯突起後屈,31.0%はエーラス・ダンロス症候群を伴っていた.症状は,頚部/後頭部痛88.1%,脳幹症状76.2%,感覚障害59.5%,嚥下障害54.8%,口蓋帆咽頭機能不全35.7%,頚髄症28.6%などであった.