脳室-頚静脈孔シャントの経験:より生理的状態に近いシャント・システムの提案

公開日:

2023年5月22日  

最終更新日:

2023年7月11日

【背景】

髄液シャント手術においては,髄液を腹腔あるいは心房腔に誘導することが殆どである.これらはいずれも非生理的な髄液吸収部位であり,オーバー・ドレナージ,シャント機能不全,シャント閉塞を来たしやすく,再建術の必要性は30%前後と高い(文献1,2,3).本研究はデンマークで行われた脳室-頚静脈孔(球)シャントのパイロット試験である.本手術で用いるデバイスは,通常のワンウェイ・バルブ付き脳室側デバイスの末梢にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製の流動抵抗機能を有するチューブが接続されたものである(出口デバイス).PEEKチューブは,静脈壁との接触を防ぐべく,ニチノール製のバスケットで囲まれている.