ホルマリン固定後の自家腫瘍を用いた膠芽腫に対するワクチン治療:日本における多施設IIb相試験(UMIN10602)

公開日:

2023年8月21日  

最終更新日:

2023年9月13日

【背景】

膠芽腫に対しては放射線+テモゾロミド(Stuppレジメン)ならびに腫瘍治療電場療法(TTF)の有効性が証明されているが,それでも,OS中央値は2年に満たず,次なる治療法への模索が続いている.本稿は日本で実施された膠芽腫に対するホルマリン固定後の自家腫瘍組織を用いたワクチン(AFTV)治療の多施設IIb相試験の結果である.AFTVは,完全破砕自家腫瘍組織と免疫賦活剤としてのツベルクリンとBCG抽出液から製造された.対象は初発膠芽腫57例で,ワクチン群30例,偽薬群27例に無作為割り付けされた.腫瘍摘出術後,Stuppレジメン開始前に2回,放射線化学療法中に1回,初期治療終了後に6回,AFTVあるいは偽薬が皮内投与された.