同じKoosグレード4の前庭神経鞘腫でも腹側成分の大きいものでは術後顔面神経麻痺が出やすい:神戸大学

公開日:

2023年8月21日  

最終更新日:

2023年9月13日

【背景】

Koosグレード4の大型前庭神経鞘腫はガンマナイフでのコントロールは困難で,摘出手術が必要になることが多いが,術後の顔面神経麻痺は稀ではない.神戸大学のFujitaらは,Koosグレード4前庭神経鞘腫を腹側成分が大きいタイプ4Vと背側成分が大きいタイプ4Dに分けて,術後顔面神経機能障害との関係を解析した.腫瘍の中心が,内耳道入口部中心から立てた垂線よりも前方に存在するものを4V,後方に存在するものを4Dと定義した.2010年以降に後S状静脈洞アプローチで摘出手術を受けた107例のKoosグレード4前庭神経鞘腫ではタイプ4Vは45例(42.1%),タイプ4Dは62例(57.9%)であった.