Neurosurgery Summary - 膠芽腫, 神経膠腫, CAN-3110, ICP34.5遺伝子, CD8, CD4, ウィルス治療, 腫瘍溶解性ヘルペスウィルス, ネスチン, 免疫誘導, 米国
公開日:
2023年11月6日最終更新日:
2024年3月4日【背景】
膠芽腫に対する免疫療法の効果が低いのは,腫瘍微小環境における抗腫瘍免疫の強い抑制に起因する.腫瘍溶解性ウィルス療法はウィルス増殖による癌細胞溶解によって生じた癌抗原に対する免疫反応を利用して癌を抑制しようとするものである.
本稿は新規の腫瘍溶解性ヘルペスウィルス(oHSV)のCAN-3110を,膠芽腫を含む41例の再発悪性神経膠腫に定位的に1回注入する第1相試験の結果である.従来のoHSVでは,ウイルスが正常細胞で増殖することがないようにICP34.5遺伝子が除去されているが,CAN-3110では膠芽腫細胞で高発現しているネスチン・プロモーターによってのみ同遺伝子が転写され,腫瘍細胞内でのウィルス増殖能を高めている.
ここから先は閲覧有料です。