鞍結節髄膜腫に対する過去30年間の手術療法の変遷:北米中心の40センターの947例

公開日:

2023年11月7日  

最終更新日:

2024年3月4日

【背景】

近年,鞍結節髄膜腫に対し従来の開頭手術(TCA)に代わって拡大経鼻経蝶形骨法(EEA)が導入されつつあり,その有用性が報告されている(文献1,2,3).では実際の医療現場ではどうなっているのか.本稿は北米中心の40センターが参加した鞍結節髄膜腫の国際共同研究である.対象は1993-2019年に摘出術が行われた947例(年齢中央値54歳,WHOグレード1が93%).TCAは629例,EEAは318例で実施された.腫瘍径中央値は2.3 cm,TCA症例では2.5 cm,EEA症例では2.1 cmであった.EEAは2006年以前の87例中では4例のみで,その後漸増し2019年ではTCAと同数となった.