公開日:
2023年11月27日最終更新日:
2024年3月4日【背景】
グリオーマ細胞の増殖は,周囲神経におけるパラクリン・システムや神経-グリオーマ・シナプス(悪性シナプス)を介した腫瘍細胞周囲の神経活動の影響下にあることが判ってきた(文献1,2,3).
正常脳では神経活動依存性BDNF分泌がシナプス結合の適応可塑性を強化している.
本稿でスタンフォード大学のチームは,グリオーマ細胞においても神経由来のBDNFがグリオーマ細胞上のTrkB受容体に結合してCAMKIIの経路を活性化し,AMPA受容体の腫瘍細胞膜への輸送を高め,細胞膜AMPA受容体を過剰発現させていることを明らかにしている.
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