髄膜腫手術中のトラネキサム酸投与は静脈血栓塞栓症のリスクを高めることなく出血量を減らす:RCT6報告381例のメタアナリシス

公開日:

2023年12月22日  

最終更新日:

2024年3月4日

【背景】

脳外科手術の術中出血量を減らす目的でトラネキサム酸などの抗線溶薬を用いることがあるが(文献1,2,3),一方で抗線溶薬投与による過凝固に基づく血栓塞栓性合併症の発生は気になるところである(文献4).
フロリダ大学脳外科などのチームは,2017年以降に発表されたRCT6報告381例のメタアナリシスを行い,髄膜腫手術中のトラネキサム酸投与の得失を解析した.対象症例のうち190例はトラネキサム酸群,191例は偽薬群に無作為に割り振られていた.トラネキサム酸の投与方法は,20 mg/kg/20分のローディングに続いて,1 mg/kg/時間の術中持続投与が多かった.