免疫染色でのパンサイトケラチン陽性は頭蓋底脊索腫の手術+陽子線治療後の再発を予測する:Mayoクリニックの38例

公開日:

2023年12月22日  

最終更新日:

2024年3月4日

【背景】

頭蓋底脊索腫の全摘出は困難で,残存腫瘍に対する陽子線照射も行われているが,再発率は50%に達する(文献1).再発予測因子としては,被膜内摘出,高齢,女性,大きな腫瘍,術前視力障害,MRI上での造影効果,低分化型腫瘍などが挙げられているが(文献2,3),見解の一致を見ない.米国Mayoクリニック3病院の脳外科チームは,2017年以降に摘出+放射線照射を受けた自験の脊索腫38例(平均38歳)を対象に,摘出腫瘍の免疫組織マーカーと再発の関係を検討した.16例が肉眼的全摘出+放射線照射,22例が亜全摘出手術と放射線照射を受けた.36例(94.7%)の放射線照射は陽子線であった.追跡期間は平均2.7年.