脳腫瘍による閉塞水頭症に対する定位的な側脳室-橋前槽内シャント留置の安全性と効果

公開日:

2024年2月2日  

最終更新日:

2024年3月4日

【背景】

現在,脳腫瘍による閉塞性水頭症に対しては,内視鏡下第三脳室底開窓術と生検術が主流となっている.しかし,斜台と脳底動脈間の距離(PPI)が狭く、灰白隆起の穿孔に際して脳底動脈の損傷が危惧されるケースや,腫瘍が脳室壁から離れており生検が困難な症例もある.ミュンヘン大学(LMU)脳外科では,そのような症例に対して定位的な生検術と同時に定位的な第三脳室底開窓+内シャント(側脳室-橋前槽シャント)留置(sTVIP)を行ってきた.本稿は過去10年間にsTVIPが実施された38例の解析である.平均PPIは3.2mm (1–5.5). 水頭症の原因は原発性脳腫瘍35例,転移性脳腫瘍3例.