R75P変異陽性CADASIL症候群には側頭極病変は少なく,視床のマイクロブリーズ・クラスターが多い:32例の解析

公開日:

2024年2月2日  

最終更新日:

2024年3月4日

【背景】

CADASIL症候群は若年期に片頭痛で発症し,中年期から多発性ラクナ梗塞,大脳白質病変を呈し,やがて脳血管性認知症や抑うつに至る,NOTCH3遺伝子変異による常染色体優性遺伝性の脳小血管病である.CADASIL症候群ではMRIにおける側頭極白質のT2高信号が特徴とされるが,認められないものもある(文献1,2).鹿児島大学脳神経内科のチームは,32例のCADASIL症候群患者を対象にNOTCH3遺伝子変異の種類と臨床像やMRI所見の関係を解析した.24例はR75P変異を有し,他の8例の変異はR75Q,R110C,C134F,R607Cが各1例,C144FとR169Cが各2例であった.