小脳梗塞に対する減圧開頭手術は有効か:梗塞巣体積 >35 mL(小脳体積の半分以上)が良い適応

公開日:

2024年3月12日  

最終更新日:

2024年5月13日

【背景】

米国心臓協会/脳卒中協会のガイドラインでは,小脳梗塞の中で占拠性効果を呈し,神経症状の悪化を示すものには減圧手術が推奨されている(文献1).しかし,天幕上の大梗塞に対する減圧術の有効性はRCTなどの複数の前向き試験で証明されているが(文献2,3),小脳梗塞についてはエビデンスは乏しい.
本研究は2008年から2021年に,ロストック大学病院などドイツ国内5ヵ所の第三次脳卒中センターで治療された小脳梗塞531例(男性57%,平均年齢68歳)の後方視的解析である.
このうち127例が減圧手術を受け,404例が保存的治療を受けた.受診から手術までは,中央値15時間(IQR:3-48)であった.