外傷性脊髄損傷(TSCI)と外傷性脳損傷(TBI)が同時に発生したらTSCIの手術開始が遅延する

公開日:

2024年3月12日  

最終更新日:

2024年5月13日

【背景】

外傷性脊髄損傷(TSCI)に対する減圧などの手術は緊急性を要することは言うまでもないが(文献1,2),実際の救急現場では合併した外傷性脳損傷(TBI)の為にTSCIに対する手術が遅れている可能性がある(文献3).ジョンズ・ホプキンズ大学脳外科のAzad TDらは,米国外傷データバンクに登録されたTSCIの症例を対象にこの問題を検討した.
米国の377ヵ所の外傷センターで,2007年からの10年間に14,964例のTSCI患者が手術を受けた.このうち2,444例(16.3%)がTBIを合併していた.4,610例(30.8%)が,非骨傷性の中心性脊髄症候群(CCS)を呈していた.