もやもや病の血行再建手術中の麻酔は吸入麻酔が良い:熊本大学

公開日:

2024年3月12日  

最終更新日:

2024年5月13日

【背景】

血行再建手術は症候性もやもや病に対する有効な治療法である.しかし,血行再建術後に一過性の神経症状(TNEs)が起こることがある(文献1,2).その原因としては過灌流(文献3),虚血(文献4),けいれん(文献5)などが推測されている.
麻酔薬の関与については諸説があり,見解の一致を見ない(文献6,7,8).熊本大学脳外科などのチームはこの点を明らかにするために,血行再建術中の麻酔法に関する後方視研究を行った.対象は2013年以降にもやもや病に対する直接+間接の血行再建術が行われた63例82側.39側では吸入麻酔薬による麻酔(IA)が行われ,43側では静脈麻酔(TIVA)が行われた.