出血した脳深部のAVMの予後

公開日:

2024年4月1日  

最終更新日:

2024年5月13日

【背景】

脳深部(脳葉深部,視床,小脳,脳幹など)の破裂動静脈奇形(AVM)の最適な治療法に関してはまだ議論の余地が大きい.ジョンズ・ホプキンズ大学脳外科は1990年から30年間に治療したAVM1,066例のうち,脳深部破裂AVM177例を対象に,治療法や臨床諸因子が予後に与える影響を解析した.
AVM年間破裂率は診断から治療までの8.24%から,治療から最終追跡までは1.65%と低下した.多変量Cox回帰解析では,ナイダス前動脈瘤の存在は高い出血リスク(HR 2.388,p =.036)と相関し,確定的治療(手術か定位手術的照射)は出血リスクの低下と相関した(HR 0.267,p =.001).