脊髄前方の硬膜解離の病態:疾患概念の分化から統合へ

公開日:

2024年4月1日  

最終更新日:

2024年5月13日

【背景】

脊髄前面硬膜の解離(SADD:spinal anterior dural dissection)は多様な病態を呈し,そのために病態や症状に応じた種々の疾患名が冠せられている.
フランス・ビセートル病院脳外科などのチームはSADDに伴う上腕筋萎縮症の自験例を報告し,同じ原因で生じる他の病態との関連を検討した.
上腕筋萎縮の症例は7例(全員男性,平均年齢40歳)で,全例で緩徐進行性の上肢の左右非対称の近位側筋(三頭筋や二頭筋が主体)の萎縮と筋力低下を示した.神経筋電図検査上は全例でC5,C6レベルの純粋運動性ニューロパチーであった.