経脳溝傍神経線維束法(MIPS)を用いた低侵襲的血腫除去は脳葉内出血患者の機能予後を改善する:米国ENRICH試験

公開日:

2024年4月18日  

最終更新日:

2024年10月5日

【背景】

天幕上の脳内出血に対する血腫除去手術は患者の機能予後を改善しないとの報告が多い.その理由として手術操作そのものが健常脳組織を障害している可能性が挙げられる.本稿は米国32施設が参加した,低侵襲的な経脳溝傍神経線維束法(MIPS,文献1,2)を用いた血腫除去手術が機能予後に与える影響に関するRCTである.対象は前方基底核部か脳葉内に発生した血腫量30-80 mLの脳内出血の患者300例で,最終健常確認24時間以内にMIPSか保存的治療に1:1で割り付けられた.全体の約3割は基底核出血で約7割は脳葉出血であった.一次エンドポイントは,発症180日目の効用加重修正Rankinスケール(UW-mRS)とした.