中等症頭部外傷患者(GCS:9-12)における予後不良(GOS:1-3)因子は何か:日本外傷データバンクの1,638例

公開日:

2024年5月10日  

最終更新日:

2024年10月5日

【背景】

外傷性脳損傷(TBI)は受診時のGCSによって軽症(13–15),中等症(9–12),重症(3–8)に分けられる.このうち,軽症と重症に関してはその予後関連因子が詳しく検討されているが,中等症に関しての解析は少ない.本稿は日本外傷データバンク(JTDB)の登録症例から中等症TBI患者を抽出して,予後不良(退院時GOS:1-3)の因子を求めたものである.対象は2019年から3年間に登録された中等症TBIの成人1,638例(男性67%,年齢中央値73歳,外傷重症度スコア[ISS]中央値17点).主要な外傷機転は転倒・転落で62%であった.頭蓋内病変は硬膜下血腫と脳挫傷が最多で共に29%であった.