アスピリン定期服用者では脳動脈瘤コイル塞栓術後の再開通は少ない:Duke大学の525瘤の治療経験から

公開日:

2024年5月12日  

最終更新日:

2024年10月5日

【背景】

脳動脈瘤に対するコイル塞栓の技術は発達しつつあり,様々な部位,形,大きさの脳動脈瘤がその適用となっている.しかし,コイル塞栓術後の脳動脈瘤の再開通率は20%前後,再治療率は10%前後と高い(文献1).特に,脳底動脈尖端部動脈瘤では再開通率は30%に及ぶ(文献2,3).一方最近,脳動脈瘤の成長/破裂に対するアスピリンの抑制効果が示唆されている(文献4,5).
Duke大学脳外科は,過去10年間にコイル塞栓単独での治療後1年以上追跡された525個の脳動脈瘤を対象に患者のアスピリン服用の有無(定期服用群109個,非服用群416個)が,脳動脈瘤の再開通(RRクラスの1以上の上昇)に及ぼす影響を検討した.