頭蓋内動脈の動脈硬化性閉塞・狭窄に対する直接+間接のローフロー・バイパス手術の有効性:ソウル大学の215例

公開日:

2024年5月23日  

最終更新日:

2024年10月5日

【背景】

血行力学的脳虚血を示す頭蓋内動脈閉塞に対するEC-ICバイパスは理論上は脳梗塞再発予防に有用な筈であるが(文献1),過去のRCTはその有効性を示していない(文献2,3,4).これら先行研究に対しては選択バイアスやバイパス手術群における周術期合併症率の高さなどが問題点として挙げられている.本稿は過去20年間にソウル大学で頭蓋内動脈の動脈硬化性閉塞・狭窄病変に対してローフロー・バイパスを受けた215例(平均59.1歳)の後方視的解析である.罹患動脈は中大脳動脈31.6%,内頚動脈66.5%で,閉塞87.9%,狭窄12.1%であった.初発臨床像は脳梗塞68.4%,一過性脳虚血発作54.0%であった.