歯原性脳膿瘍の頻度と臨床像:フライブルク大学における217例

公開日:

2024年8月26日  

最終更新日:

2024年10月5日

【背景】

脳膿瘍は,年間発生頻度0.4–0.8/10万人で,現在でも致死率20%に達する重要な疾患である(文献1,2).発症機序としては,隣接感染巣からの直接進展,外傷・手術後の発症,遠隔感染巣からの血行性播種などが挙げられるが,近年歯原性脳膿瘍の頻度が増えているとの報告がある(文献1,3).フライブルク大学脳外科は過去20年間に治療した脳膿瘍217例を解析して,歯原性脳膿瘍の頻度と臨床像を解析した.
歯性感染症以外には脳膿瘍の原因病巣が見当たらず,検出された脳膿瘍起炎菌のスペクトラムが歯性の細菌スペクトラムと一致するものを歯原性脳膿瘍と診断した.その結果,26例(12.0%)が歯原性脳膿瘍と診断された.