脳外科手術後の医原性脳アミロイド血管症の病態:49例の解析

公開日:

2024年11月5日  

最終更新日:

2025年1月7日

【背景】

1970年代から1990年代まで,脳硬膜欠損を補填する目的で使用されていた凍結乾燥ヒト屍体硬膜が,プリオン病であるクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)を伝播することが判明し(文献1,2),日本では1997年3月より,その使用が禁止されている.しかしその後,アミロイドβタンパク質(Aβ)も屍体硬膜を通じて個体間を伝播し,医原性脳アミロイドアンギオパチー(iCAA)を惹起する可能性が指摘されている(文献3-6).オランダ・ライデン大学のチームは,自施設のCAA251症例のうち脳外科手術歴がある15例,オランダ内他施設のiCAA3例,iCAAの文献例31例,合計49例を解析し,その病態に迫った.