慢性・亜急性硬膜下血腫に対する手術+中硬膜動脈塞栓術は有用か:米国のRCT(EMBOLISE試験)

公開日:

2024年12月14日  

最終更新日:

2025年1月7日

【背景】

近年,慢性硬膜下血腫に対する中硬膜動脈塞栓術の効果が注目をあびており(文献1-5),米国を中心に,再発時のみならず,初期治療として塞栓術を行うという報告も増えているが,エビデンスは十分ではない.本EMBOLISE試験は,米国39センターで実施されたRCTである.神経症状,運動麻痺,血腫厚 >15 mm,中心線偏位 >5 mmのいずれかを示す亜急性あるいは慢性硬膜下血腫症例400例が対象.203例は手術(バーホールか開頭かは術者の判断で,実際は開頭が約半数)単独治療(対照群),197例は手術+Onyxを用いた塞栓術(治療群)に,ブロック・ランダム法を用いて割り当てられた. 
塞栓術は手術の前後いずれかで,ランダム化後48時間以内に実施した.